2009年10月29日木曜日

ざっくり再現 事例3

昨日のエントリーに引き続き、本日は事例3になります。

第1問(配点10点)
 低迷する木製家具業界にあって、C社は安定的な業績を維持している。その考えられる理由を120字以内で述べよ。

考え:
環境分析能力を問う問題。強みと機会に注目する。
  • 消費者に対する提案型営業で売り上げ好調なインテリア用品・生活用品を扱う小売店が販売先の80%を占めること
  • 消費者ニーズに対応した企画から品質の高い製品製造までを一貫して行う生産体制があること

第2問(配点40点)
 C社では、経営上大きな問題となっている過大な製品在庫および製品の欠品について改善を検討している。次の設問に答えよ。

(設問1)
 過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を100字以内で述べよ。

考え:
問題分析能力が問われている。「過大な製品在庫と製品の欠品が生じている。それはなぜか」を探っていけばよい。
  • 生産計画の立案・管理が甘い
  • ロット数を現場が決めている。月予測販売数を考慮していない

(設問2)
 製品在庫問題を解決するために、生産面で必要な対策を120字以内で述べよ。

考え:
改善提案能力が問われている。「製品在庫問題が起きている。それはなぜか」と原因を考えた後で、「するとどうすればよいか」を考えればよい。
製品在庫問題の原因を与件から探すと
  • 翌月の販売予想数量を参考に、翌月の生産品目、生産順が決められている
  • 生産計画作成後の営業部門との定期的な情報交換は行われていない
  • 生産ロットサイズは部品機械加工工程の稼働率を優先して決定している。月販売予測数量は考慮していない
  • 作業指示は着手日を計画して指示するのみ。
これらを改善すればよい。
  • 生産品目、生産順は翌月の販売予想数量だけで決めない。
  • 生産計画作成後も営業部門と頻繁に情報交換を行う
  • 製版会議、生産計画を考慮してロットサイズを決める
  • 着手日だけでなく完了日も設定するなど、生産計画を管理する

第3問(配点40点)
 C社では、大手インテリア用品小売チェーンからOEM製品の取引要請があり、共同で製品化を進めようとしている。

 (設問1)
 大手インテリア用品小売チェーンとのOEM製品取引は、C社にとってどのようなメリットがあるのかについて80字以内で述べよ。

考え:
80字と文字数が少ないので解答の記述には注意しよう。一般的知識からOEM受託側のメリットを書くのではなく、与件に注目しよう。すると
  • 先方から製品アイデアの提供を受けて
  • 近年の低迷する木製家具業界にあって
を見つけることができる。これをOEM受託の視点で素直にまとめてみた
  • 製品アイデアの提供を受けることができ、製品開発・製造に注力できる。
  • 木製家具業界の業績が低迷する中、OEM受託により受注、売上が安定する。

(設問2)
 C社のOEM事業推進において考えられる課題とその対応策について120字以内で述べよ。

考え:
解答の書き方は「課題は~である。対応策は~である。」で行こう。
課題とは、将来的に発生する問題点である。
まず、「OEMを受託し、事業を進める。するとどうなるか」という思考で影響分析する。ここで浮かんだ問題点を課題として記述すればよい。
その次に、「すると、どうすればよいか」を考え、対応策として記述しよう。

現状を把握しておく
  • C社も自社ブランド製品を積極的に開発している
  • 営業部門と製造部門の連携が不十分
  • 製造体制が混乱している。過大な製品在庫、欠品問題は経営課題。
  • 見込み生産方式である。
OEM受託に対して考慮する点
  • 経営資源を割り当てる必要がある。
  • 自社ブランドの育成に影響がでる
  • 製造体制が更に混乱するのではないか
  • 欠品によりOEM契約が解除される確率は不明
  • 受注生産で一括納品である。従来と異なる。
  • 受注後の納期の解答が求められる。
ここから考えられる課題は
  • 自社ブランド製品の開発力が落ちる
  • 生産工程において、生産の不安定さが増す
これに対する改善策は
  • 自社ブランド開発とOEM受託の両方に対応した社内体制の再構築
  • 生産に関する情報・計画の厳格な管理

第4問(配点10点)
 C社の自社製品は見込生産であり、現在製品化を進めようとしているOEM製品は受注生産で対応する予定である。C社の見込生産と受注生産の違いを、重視すべき情報と管理ポイントの視点から80字以内で述べよ

考え:
かなり迷った問題である。
まず、考えの方向性を決める。
  • 「C社の」と記載があることから、一般論ではなく与件からの引用が必要になるのだろう。与件から該当箇所を拾い出して、違いを抽出しよう。
  • 違いを抽出するためには、必要な情報と、その情報をのように管理すべきか、を考えよう。
与件から、見込み生産と受注生産に関する箇所を拾い上げる
見込み生産:
  • 小売店からの注文に関しては、その当日に製品を出荷する
  • 部品機械加工の一部と販売数量の少ない製品によっては完成品までを外注工場に依存
  • 生産体制には色々と問題あり
受注生産: (最終段落に記載がある)
  • 受注生産で一括納品する方向であり
  • 受注後の納期回答が求められる
以上のことから、
  • 見込み生産に必要な情報は、在庫情報、社内の生産情報、外注の生産・管理情報である。管理のポイントは過剰在庫、欠品を出さないように定期的、かつ厳密に生産計画を管理すること
  • 受注生産に必要な情報は、受注情報、納期に関する生産日程情報であり、管理のポイントは、生産現場と情報を密にすること、生産工程での遅れを出さないこと
これを80字でまとめた。
  • 見込み生産は在庫情報と社内・外注の生産・管理情報を重視し、生産計画を厳格に管理する。
  • 受注生産は受注・生産日程情報を重視し、生産が正確に行われるよう管理する。

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