2009年10月31日土曜日

ざっくり再現 事例4 その2

昨日のエントリーに引き続き、本日も事例4になります。

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第1問(配点40点)
 D社の平成20年度の財務諸表を用いて経営分析を行い、この企業の財務上の長所・短所のうち重要と思われるものを3つ取り上げ、その各々について、長所・短所の根拠を最も的確に示す経営指標を1つだけあげて、その名称を(a)欄に示し、経営指標値を計算(小数第3位を四捨五入すること)して(b)欄に示した上で、その長所・短所が生じた原因をD社のこれまでの経営状況に照らして(c)欄に60字以内で説明せよ。

売上高営業利益率 8.48%
長所は、同業他社と比べて収益性が高い点である。原因は、高い技術力、高品質に定評があること、アジア諸国の売上増加である。

有形固定資産回転率 2.65回
短所は、同業他社と比べて有形固定資産の効率性が低い点である。原因は、中古不動産の買い増し、本社社屋の老朽化である。

負債比率 74.08%
短所は、同業他社と比べて負債比率が高く、安全性が低い点である。原因は、借入金に依存した財務体質である。

考え:
財務諸表を分析する前に、1ページしかない与件文を探る。まず、原因ありき。
  • 「日本製の高品質・高機能が消費者に支持」「アジア諸国でも順調に売り上げを伸ばしている」「中古不動産を買い増し」「本社社屋の一部は老朽化」
たいした情報が見つからない。

同業他社と比較する視点からB/Sを見てみる。
現金・預金はある。売上債権はあまり変わらず。棚卸資産は少ない。土地と建物・機械装置は差が大きいので、必ず使おう。負債の差が大きいのでこれも使えそうだ。P/L見ても利息払いのせいで営業外費用が大きくなってるな。よしよし。純資産はあまり変わらず。

P/Lを見てみる。パッと見てわかるのは、営業外費用が大きいことと、特別利益、特別損失が無いことくらい。あとは計算結果を比較しないとわからなそうだ。

ここまでの情報を元に、「収益性」「効率性」「安全性」の切り口から解答を考える。

売上は好調っぽいので、収益性の高さが長所だな。「売上高総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」あたりをザッと計算して、同業他社と一番差が大きい「売上高営業利益率」を解答とした。

効率性ということで、定番の「売上債権回転率」「棚卸資産回転率」を算出してみた。同業他社とそれほど差がない。なので「有形固定資産回転率」で決まり。

安全性に指標を何にするかでかなり迷った。原因は、借入金が高く安全性が低い、支払利息で収益性を圧迫していることだ。当座比率は支払い能力を指摘したい時に使うので違う。固定比率の値は悪いけど、借入金の指摘には弱い。自己資本比率の値も悪いけど、純資本の値そのものは同業他社とあまり変わらない。なのでストレートに借入金や利払いを指摘する負債比率に決定した。

ここタイミングで時計をみると16時20分。時間かけすぎたか?あと40分しかない。このペースだと全部は解けないだろこれ。どうしようどうしよう。とにかくやるしかない。

第2問(配点20点)
 近年の経済のグローバル化に伴って経営環境は不確実性を増している。D社の平成20年度の期首の投下総資本は4,907百万円であり、それに対する平成20年度の総資本営業利益率は9.7%であった。平成21年度の総資本営業利益率は前年並みになるか、もしくは景気が減速すれば-2.5%になると予想され、それぞれの状況が生起する確率は1/2と想定される。負債の平均資本コスト(負債総額に占める利益の割合)を4.9%とし、支払利息以外の営業外損益および特別損益はゼロと仮定して、次の設問に答えよ。

(設問1)
 本社(土地及び建物)を売却しない場合、平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値を求めよ(計算結果は%で解答し、小数第3位を四捨五入すること)。

ちくしょー!日本語がわかりにくいんだよ!条件を箇条書きにしてくれよ!
景気が減速すると-2.5%になるから9.7%-2.5%で7.2%ね。フムフム…

(7.2%ではなくて、-2.5%をそのまま使うみたいですね。問題を読み間違えたことに気付かず、これ以降は1点にもならない無駄な時間を過ごすこととなりました。お疲れ様です。)

(設問2)
 本社(土地及び建物)を売却した場合、18億円のキャッシュフローが得られる。これを全額負債の返済に充当することを検討している。この場合、景気変動による税引前自己資本利益率のバラツキがどのように変化するかを100字以内で説明せよ。

自己資本利益率を分解した式を思い出した。

自己資本利益率 = (純利益/売上高) * (売上高/総資産) * (総資産/自己資本)

お、思い出しただけさ。。。
こいつを使いこなすだけの思考は持ち合わせちゃいないんだぜ・・・

とにかく、考えてみる。
  • 土地売却と負債返済により、固定費が減る。負債も減る。総資産も減る。
  • 負債が減るということは営業外損益が減るので純利益は改善される。
  • 売上高そのものは景気変動により変化する。影響を受ける純利益も変化する。
  • 総資産は固定費減、負債減により小さくなる。
  • 自己資本は変わらない。
結局、バラツキはどーなるんだよ!(逆切れ

やはり期待値の偏差とか計算して解答を書くべきなのか?でも、もう時間が無いぞ。とにかく何か書かないと!

最終的には
  • 借入金返済により利息支払いが減るので、返済前より利益が増えるようになる。
  • 自己資本そのものは変わらない。
  • よって税引前自己資本利益率のバラツキは拡大する。
こんな感じで、めちゃくちゃなことを書いた気がする。景気変動関係ないし。

(続く)

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後日談:
負債比率の計算方法を(負債/総資産)と間違って憶えていました。(負債/自己資本)だったようですね。有形固定資産回転率の計算でも、「その他有形固定資産」を加算し忘れました。頼みの綱の経営分析でもミス連発です。。。

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